オキコクノミライ

沖縄国際大学は、日本復帰の年に誕生しました。

50年の節目を新たな出発の年へ

  「真の自由と、自治の確立」という建学の精神は、アメリカ統治下の困難な状況のなかで沖縄の人びとが獲得し、日本復帰と復帰後の新時代をあゆんでいくための沖縄の精神でもありました。この50年、「地域に根ざし、世界に開かれた大学」として、地域と共にあゆむ本学が送り出した人材は、沖縄はもとより日本本土や海外まで活躍の場を広げています。その数は56,000人あまりにものぼります。

  本学が立地する宜野湾市、そこにあるキャンパスもまた、沖縄の戦後史を象徴している場所でもあります。それゆえに、つねに本学の教職員や在学生に、沖縄で生きることや沖縄という土地の歴史に対する関心へと導いてくれます。建学の精神ではそのことが意識され、「沖縄の私立大学」として、独自のあり方を模索してきました。いかなる困難な状況にあっても、それを乗り越えるための創造力と想像力を大学構成員全体で育んできました。それはその日々の努力の上に、地域に根ざした「学知の拠点」である地位を築いてきました。

  2020年以降、新型コロナウイルス感染症の猛威による世界的パンデミックは、それまでの社会の仕組みや生活の風景を激変させました。本学も、コロナ禍以前の学びのあり方が学生の成長にいかに重要か痛感させられました。しかし、コロナ対応から生まれた新たな学びの手段も活用し、本学は学びの試行錯誤しながら学習機会の保障を続けてまいりました。

  教育と研究の機関である大学は、社会のニーズに堅実に応えていく責務を担っていますが、それと同時に、時代の変化を鋭敏に感じ取り、新しい時代像を描ける学知であることが問われています。その意味で、大学とはつねにフロンティアでなければなりません。

  創立50年を迎え新たな時代への出発のために、本学の原点に立ち戻らなければならないことをここに確認します。それは「学生を主役」に据えることであり、そのための教育と研究環境のソフト・ハード面からの整備・充実に努めていくことであります。また、学生と教職員が共に学び、共に究め、共に成長していく共生・共助と自立の精神を育み、同時に複雑化していく時代の矛盾を、将来像を学知に裏付けて言語化することでもあります。本学は、複眼的なまなざしを持ち、柔軟な思考力と、変化への対応力、独自性に富んだ表現力を備え、未来へ向かってあゆみ続ける主体的な人材を育てていくことを責務としていきます。そうした大学としての責務を怠ることなく果たしていくことが、地域社会との信頼の絆を揺るぎないものにしていくことと確信します。

50年の節目を新たな出発の年へ

  沖縄国際大学が育んできた教育や研究の成果を、「地域に根ざし、世界に開かれた大学」というキャッチフレーズに結び直し、これからも「学知と人間力の拠点」たらんとするあゆみを続けます。

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