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卒業生インタビュー

喜友名 諒

総合文化学部英米言語文化学科
2012年度卒業
空手家

本学4年次の時に自身初の日本選手権優勝を飾る。以来、日本選手権10連覇、アジア選手権4連覇、世界選手権4連覇を成し遂げる(いずれも継続中)。また、東京オリンピック2020において男子空手形で金メダルを獲得。沖縄県出身者として初のオリンピック金メダリスト。

空手を始めたきっかけと、師匠の佐久本先生との出会いについて教えてください。

空手は5歳のころに友達の影響で始めました。それから道場と学校の部活動で空手を続けていたのですが、中学校での最後の大会を終えて、少し燃え尽きてしまったような感覚に陥っていました。そんなとき、両親も私を奮起させようと思ったのか、佐久本先生の道場の見学を勧められました。道場を見学させて頂いて、とにかく凄みに圧倒されたのを覚えています。自分の気持ちがまた熱くなるのを感じ、先生の背中を追いかけて世界を目指してみたいと思いました。佐久本先生は選手としても世界の頂点に立ち、現役を退かれた後も、世界トップの選手をずっと輩出し続けています。空手以外の人間性などにおいてもとても尊敬する部分が多く、選手としても指導者としても目標とする先生です。

 

進学先として沖縄国際大学を選んだ理由を教えてください。

高校卒業後の進路を考えるにあたり、佐久本先生の元で空手を続けたいという考えがあり、県外への進学は選択肢にありませんでした。高校の先生や先輩方にも相談をして、沖国大の教職課程がとても素晴らしいという評判を聞きました。私は将来、空手の指導者にもなりたいと考えていましたので、教職課程で学ぶことは自分の一つの武器になると思いました。また、英語が好きな科目であったこともあり、本学の英米言語文化学科に進学を決意しました。

 

大学生活の4年間で達成したい目標などはありましたか?

学業と空手をしっかり両立したいというのが、入学前の目標でしたが、そう簡単なものではなく、教職課程については途中で断念せざるを得ませんでした。しかし、絶対に空手で日本一になるという最も大きな目標は、大学4年次のとき達成することができました。学業面においても、卒業論文では空手を取り上げ、自分のアイデンティティと学業成果を結びつけることができたと思っています。空手の歴史を探って、知り合いの海外選手などにもインタビューを行い、沖縄発祥である空手文化の世界への広がりについて調べました。卒業式では、空手での功績を評価して頂き「学長賞」を頂きました。大変光栄なことだったと思っています。

 

卒業後の空手家としての活動を教えてください。

卒業してからはより一層、空手の稽古に精進しました。2014年には初めて世界選手権で優勝することもできました。2016年には東京オリンピックの正式種目に空手(個人形)が決定し、東京五輪に代表選手として出場し金メダルを獲得するということを自分の目標に見据えました。

 

東京オリンピック2020への準備や、金メダルを獲得した時のお気持ちなどをお聞かせください。

東京オリンピックが新型コロナウイルス感染拡大により1年延期となりました。2020年は試合も開催されることがほぼなかったので、基礎に立ち戻ることができました。その期間も指導してくださっている佐久本先生や、共に切磋琢磨する仲間が一緒にいたのでモチベーションを保ちながら過ごすことができました。

五輪出場にあたり、多くの方から応援の言葉をいただきました。私の空手をみて元気がでたと聞くのはとても嬉しいですし、力にもなりました。

舞台のうえでは、普段通りを心がけました。普段通りの感覚で臨んだので、無観客の大会でしたが支えてくれた佐久本先生や仲間、たくさんの応援の言葉をかけてくださった方々が傍にいるような気持ちになり、落ち着いて試合に臨みました。また、舞台では、支えてくださっている方々へ感謝の気持ちを持ち、演武を通じて「ありがとう」という気持ちを伝えられるよう努めました。

この金メダルは私一人のものではない、と思っています。支えてくださった家族、先生、仲間たちと一緒に勝ち取ったという気持ちです。

 

喜友名さんにとって空手の魅力とはどのようなところでしょうか?

私がやっている空手は形競技ですので、なかなか数値として表すことは難しいのですが、「誰よりも強い突きと蹴り」を目指しています。空手の魅力は、まず沖縄の文化であるということです。それを、何の道具も必要とせず世界中どこへ行っても、自分の体と心ひとつで表現することができます。そこは大きな魅力だと感じています。
現在、指導者として空手を次世代につなぐことをしております。心がけているのは楽しく空手を指導することと、劉衛流の精神と技を伝えることです。将来、世界チャンピオンを目指せるような選手も出てきたらいいなと思っております。
空手家として生活ができている人間はそう多くはありません。幸い私はそれができていますが、そのような面でも次の世代が続いていけるような環境作りもしていければと思っています。

 

最後に受験生や在学生へメッセージを!

大学生になるといろんな部分で「責任」というものがついてきます。その分、自分で決断できることも増えてくると思います。学業面についてももちろんですが、それ以外の部分でも、しっかりと自分のやりたいことを見つけて、そこに懸命に取り組んで欲しいと思います。

あと、私が在学時よりも(新3号館や学生会館があり)施設が充実していると思いました。当時よりも教育内容も充実していると思うので、今からでも大学に入り直して勉強したいと思うほどです。皆さんには多くの時間があると思います。その大切な時間を無駄にせず、自分の成長に繋げられるような大学生活を送ってください。

 

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